短歌の作り方はコツを掴むことにアリ!令和のネタ元万葉集で理解を深めよう
短歌とは
「短歌」と「俳句」はよく似たものとして挙げられますが、字数と季語の有無という点で全く違います。
俳句は、五・七・五の17文字で表され、季語を含むということが原則とされていますが、短歌は五・七・五・七・七の31文字の形式で季語を含むことは特に指定されていません。
近代以降の短歌は自然に触れ、生活の場で、また社会の流れの中にあって、人間の心の在り様を表現したものであり、すべてが抒情であるとも言える。しかし、短歌の世界では対象の捉え方を、叙景歌(自然の風景等を詠んだ歌)、叙事歌(事実をありのままに述べた歌)、抒情歌(感情、感動を述べ表した歌)という分け方をしてきました。
短歌の作り方
短歌の定形は、31文字(みそひともじ)、5句であるが、それを守る方法と変化を付けることによって表現の幅を広げようとする方法の2つがあります。
歌のどの部分を強調するかに対していろいろな慣用的呼び方が存在します。
句切れ
- 初句切れ
- 二句切れ
- 三句切れ
- 四句切れ
- 無句切れ(句切れなしとも言う)
句割れ
句跨り(くまたがり)
破調
- 字余り
- 字足らず
文語による短歌は歴史的仮名遣(旧仮名遣)によって書かれることが原則ですが、日常生活で口語が用いられている現在は各種の表記法が混在しています。
- 文語と歴史的仮名遣
- 文語と現代仮名遣
- 口語と歴史的仮名遣
- 口語と現代仮名遣
- 漢語、外来語・カタカナ語・話し言葉
- 句読点
- 字空き
- 分かち書き
- 散らし書き
短歌で春を詠んだ句
春を詠った短歌をいくつか紹介します。
- 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける / 紀貫之
- 東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな / 菅原道長
- 久方の ひかりのどけき 春の日に じづ心なく 花のちるらむ / 紀友則
- 世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし / 右馬頭
- 年のはに 春の来たらば かくしこそ 梅をかざして 楽しく飲まめ / 野氏宿奈麻呂
- 願わくば 花の下にて 春死なむ その如月の 望月の頃 / 西行
短歌で恋を詠んだ句
俳句には恋の歌はほとんどありませんが、短歌には多いです。
恋を詠った有名な句をいくつか紹介します。
- ありつつも 君をば待たむ うち靡(なび)く わが黒髪に 霜の置くまでに / 磐之媛命
- 秋の田の 穂の上霧(き)らふ 朝がすみ 何方(いづへ)の方に わが恋ひやまむ / 磐之媛命
- 我が背子と 二人見ませば いくばくか この降る雪の 嬉しからまし / 光明皇后
- あかねさす 紫草野(むらさきの)行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る / 額田王
- あしひきの 山のしづくに 妹待つと 我立ち濡れぬ 山のしづくに / 大津皇子
- 我を待つと 君がぬれけむ あしひきの 山のしづくに ならましものを / 石川郎女
短歌で有名な句といえば
- 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出(い)でし月かも / 阿倍仲麻呂
- 隣室に 書よむ子らの 声きけば 心に沁みて 生きたかりけり / 島木赤彦
- 花は根に 鳥は古巣に 帰るなり 春のとまりを 知る人ぞなき / 崇徳院
- 春霞 たなびく山の 桜花 見れどもあかぬ 君にもあるかな / 紀友則
- 働けど 働けどなほ わがくらし 楽にならざり じっと手を見る / 石川啄木
- ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは / 在原業平
- この世おば 我が世とぞ思う望月の 欠けたることも なしとおもえば / 藤原道長
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