介護福祉士になるには|受験資格や過去問|実務者研修など

2019年4月14日

介護福祉士とは

介護福祉士とは、老人ホームや福祉施設、障碍者施設等で入所者の介護に従事する方が取得する国家資格です。入所者の食事、入浴、排せつ、歩行の介助を行う「身体介護」だけではなく、調理、掃除、洗濯、整理整頓、買い物や通院の援助を行う「生活援助」もそのお仕事の一つです。

また本人や家族の相談に乗り、アドバイスを行う「相談・助言」、孤立しがちな本人や家族が、近隣の方々と良い関係を築けるように働きかける「社会活動援助」など、介護福祉士に求められる業務や能力は、今後ますます多様化していきます。

介護福祉士の魅力に挙げられるのが「やりがい」です。利用者の生活改善につながり、感謝されることにやりがいを感じます。また他業種から転職組も多く、性別、年代に関係なく、幅広い方が従事しています。そして安定した、景気に左右されない年収があり、未来を思い描きやすいという点も魅力です。

介護福祉士は国家試験?受験資格は?

介護福祉士は国家資格です。生涯資格なので、出産や子育てなどブランクのあった方でもスムーズに復職できます。合格のハードルは結構高いですが、有資格者には給与面での待遇向上や、利用者やそのご家族から信頼されたり、「サービス提供責任者」として職場に欠かせない人財になることができます。

今時点で介護施設で働きながら介護福祉士を目指すという方は、従業期間が3年以上かつ従事日数が540日以上であれば、450時間の実務者研修をクリアで受験可能となります。その施設で勤務を始めて3年以上の方、もしくはその見込みの方は、受験をご検討いただくと良いでしょう。

「でも実務者研修がネックで・・・」という方も、あきらめないで欲しいと思います。例えばユーキャンの介護福祉士(実務者研修付きコース)を受講すれば、450時間の実務者研修の大部分を自宅学習でカバーできます。実際のスクーリングは6日間程度ですから、あきらめずに受験をご検討下さい。

介護福祉士の合格率や過去問は?

公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」の発表によりますと、平成30年度の介護福祉士国家試験の合格率は約74%でした。受験者94,610人に対して合格者69,736人なので、合格率は高く、合格者数の多い試験であると言えるでしょう。ただし試験の難易度については、受験者のレベルによって異なります。

介護福祉士の試験は、以下の11科目群で出題されます。

  1. 人間の尊厳と自立、介護の基本
  2. 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  3. 社会の理解
  4. 生活支援技術
  5. 介護過程
  6. 発達と老化の理解
  7. 認知症の理解
  8. 障害の理解
  9. こころとからだのしくみ
  10. 医療的ケア
  11. 総合問題

 合格するにはいくつか条件があります。

ア.総得点125点に対して、72点以上の者。
イ.11科目群すべてにおいて得点があった者。

これを分かりやすく説明すると、まず60%以上は正解が必要で、各科目最低でも1問は正解が必要ということです。つまりどの分野も満遍なく得点できる対策が必要になります。

過去問および解答は、公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」のサイトから無料でダウンロードできます。ただし、解答には解説まではついていませんので、市販の問題集や、通信教育の教材などを活用して確認しておく必要があります。

介護福祉士の難易度|問題は難しい?

超高齢化社会を迎え、介護福祉士の需要は今後ますます増えて行きます。国家試験も、入試のような「落とす試験」ではなく、ある一定のレベルに達していれば合格できる試験です。ですから出題傾向は一定しています。問題もひねったり、奇をてらったりせず、素直な問題が出題されます。解答の根拠はテキストに明記されていますから、テキスト→過去問→テキストのサイクルで勉強すれば、合格は難しいことではないでしょう。