行政書士|試験の難易度や年収|独学で合格できる?

行政書士とは

 行政書士とは、身近な街の法律家として、個人や法人と公官署をつなぐ役割を担っています。例えば、会社設立時の手続き(法人登記)は、必要書類を揃えて法務局に提出します。社長自らが手続きをすることも可能ですが、費用をかけてでも行政書士に依頼したほうが、登記はスムーズに進みます。

 また飲食店を開業する場合、保健所に申請を行い、都道府県知事から飲食店開業の許可を得なければなりません。保健所だけではなく、所轄の消防署に対しても届出が必要です。深夜営業をする場合は所轄の警察署に対しても届出が必要になります。ここでも行政書士の出番となります。

 会社設立や飲食店の開業などはまさに、個人の夢を叶えるという事でもあります。行政書士はその専門知識を活かして、個人や法人と公官署の間の橋渡しをすることで、夢を叶えるお手伝いをしているとも言えます。行政書士はまさに「身近な街の法律家」なのです。

行政書士試験とは

 行政書士の試験は、毎年11月の第2日曜日に行われます。チャンスは年に一度なので、その日から逆算して計画を立てる必要があります。行政書士の受験資格は特にありません。学歴や実務経験を問われることもないので、広く門戸が開かれていると言えます。ただし合格率は16%前後と、狭き門と言えます。

 試験科目は大きく「法令等」と「一般知識」に分かれ、前者は「憲法」「行政法」「民法」「商法」「基礎法学」から46問、後者は「政治」「経済」「社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」から14問、合計60問が出題されます。一部に記述問題があるものの、ほとんどが選択問題となっています。

 ほとんどの受験生は、学業やお仕事をしながらの受験となりますから「四点固定」と「勉強の習慣化」が大切になってきます。起きる時間、寝る時間、食べる時間、勉強する時間を固定して、その中に勉強を組み込んでしまうのです。前日に準備して翌朝すぐに勉強するなど、習慣化するのがよいでしょう。

行政書士の難易度とは

 行政書士試験は選択問題ということで解答はしやすいのですが、合格率を考えると難易度は決して低くはありません。一度の試験で様々な分野から満遍なく出題されるため「広く浅く」勉強する必要があります。つまり「得意分野を延ばす」というよりは「苦手分野を作らない」ことが大切となります。

 苦手分野を作らないためには、ご自身の弱点の洗い出しが必要となります。そのためには、まず過去問を解いてみることです。最初はほとんど解けませんが、採点してみると明らかに理解が不足している部分を見つけることができます。こうして見つけた弱点を一つ一つ潰していくのが勉強方法となります。

行政書士は独学でも合格する?

 このサイクルを繰り返していくと、だんだん「傾向」というものが見えてきます。出題する側の立場に立てば、複雑・分かりにくい箇所は出題しやすい部分と言えます。そういう箇所を見つけたら、テキストの該当箇所を勉強し、再び過去問に戻るというサイクルを根気強く繰り返していくことです。

 もちろん独学では限界がありますから、サポート体制が整っている環境に身を置くことも必要です。例えば通信教育を受ける手続きをすることで、良質のテキストや問題集が手に入りますが、何より「質問する権利」が手に入ります。「一人じゃない」、これがとても大きいと言えるでしょう。

行政書士の年収はどのくらい?儲かるの?

 行政書士の年収は個人差はありますが、平均すると30代で450~600万、40代で550万~750万となっています。行政書士の先生方とお会いすると、事務所や調度品、車が高級で、それなりに儲かっている、稼いでいるようです。個人の商才もあるとは思いますが、リターンの大きい資格であると言えるでしょう。