宅建士(宅地建物取引士)合格までの最短ルート|資格取得までの道のり

「宅地建物取引業法」という法律に基づいて定めらた国家資格である「宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)」は、いわゆる不動産会社などの宅地建物取引業者が行なう、宅地や建物の売買および交換、貸借の取引において、購入者へスムーズに物件が引き渡されたり、不利益になることのないように、公正かつ誠実に法に定める事務(重要事項の説明等)を行う、不動産取引法務の専門家です。

名称を省略して「宅建士(たっけんし)」とも言われます。

年一回の試験にも関わらず、受験者は毎年20万人を超える大人気資格であり、不動産業界をはじめ、それに関わる業界従事者ならぜひとも取得しておきたい、不動産に関する重要な国家資格のことについてまとめてみました。

宅地建物取引士 試験の難易度

試験の難易度は受験を考えている方なら一番気になるところではないでしょうか。

「難易度」は数値化されているわけでもないので、なかなか文字だけでは伝えにくいのですが、試験は50問で、約7割正解すればほぼ合格できる試験といわれています。
しかも、試験問題の7~8割が過去問の焼き直しで出題されている傾向が強いため、過去問をまんべんなく押さえておくことが合格への近道などともいわれています。

宅地建物取引士 試験日

宅地建物取引士(宅建士)の試験は1年に1回のみ、10月第3日曜日に実施されることになっています。
※2019年(令和元年)は10月27日
問題は四肢択一のマークシート方式50問です。
試験時間は「120分

宅地建物取引士の合格率は?

最近10年の合格率は、15~17%台で推移している傾向にありますが、平均すると15%くらいです。

ちなみに、合格発表は試験実施年の12月頃に発表されることが多い
※2019年(令和元年)は12月4日(予定)

宅地建物取引士として登録するには

宅地建物取引士資格試験(平成26年度までは、宅地建物取引主任者資格試験)に合格すると、合格証書とともに「宅地建物取引士資格登録等の手続について」という書類が送られてきます。
試験に合格しただけでは、資格の効力は発揮されず、宅地建物取引士として業務に従事しようとするためには、受験した試験地の都道府県の登録を受けなければなりません。

登録は、各都道府県の登録窓口で登録手続きを行ないます。

ちなみに、下記の3項目のうち、いずれの項目にも当てはまらない方は、登録できませんのでご注意を。

  1. 宅地建物取引業の実務(一般管理部門は除く。)の経験が2年以上ある者
  2. 国土交通大臣の登録を受けた宅地又は建物の取引に関する実務についての講習(以下「登録実務 講習」という。)を修了した者
  3. 国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人において宅地又は建物の取得又は処分の業務に従事した期間が通算して2年以上である者

実務経験が2年なくても大丈夫!

宅地建物取引業の実務経験が2年に満たないからといって、資格取得ができないわけではありません。

宅地建物取引業法第18条1項及び同法施行規則第13条の16の規定に基づく法定の講習「登録実務講習」というものがあり、この講習を受講(修了)することでも資格取得が可能となります。

宅地建物取引士資格試験(平成26年度までは、宅地建物取引主任者資格試験)に合格した方で実務経験が2年に満たない方は、登録実務講習を修了することにより「2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者」と認められ、資格登録の要件を満たすことができます。
登録実務講習は宅地建物取引士資格試験(平成26年度までは、宅地建物取引主任者資格試験)に合格した方を対象として実施するもので、試験に合格していない方は受講することができません。

宅地建物取引士は更新手続きが必要?

宅地建物取引士(宅建士)の資格登録を行なった場合、その資格は「生涯有効」であり、更新などは必要ありません。

ただし、「宅地建物取引士証(旧取引主任者証)」は有効期間が5年と定められており、有効期限後も宅建士としての業務を継続する場合は更新しなければなりません。

宅建士証の更新は、交付申請前6ヶ月以内に行われる法定講習を受講しなければなりません。
更新の時期が近づくと、登録している宅建士本人の住所に、「更新ならびに法定講習受講のお知らせ」ハガキが届くようになっています。

更新ハガキは、全国宅地建物取引業協会(全宅連:ハトマーク)、全日本不動産協会(全日:ウサギマーク)から送られてきます。※都道府県によって異なります。

ハガキに、法定講習の実施日が複数書かれていますので、希望日を選択して申し込みするという流れになります。

申し込みは、協会本部や支部の窓口で行ないます。

申し込みにおける費用として、15,500円がかかります(宅建士証の交付申請手数料:4,500円、法定講習受講料:11,000円)

なお、申込み時に「受講票」が渡されるので、法定講習実施日まで大切に保管しておきましょう。

宅地建物取引士の住所変更手続きなど

宅地建物取引士として登録した情報のうち、

  • 氏名
  • 住所
  • 本籍
  • 従事している宅建業者の名称・商号と免許番号

に変更が生じた場合は遅延なく、変更登録を行わなければなりません。

そのほか、宅建士が届出をしなければならないケースは下記のとおりですのでお忘れなく!

届出事由 届出時期 届出義務者
死亡 死亡を知った日から30日以内 相続人
成年被後見になった その日から30日以内 成年後見人
被保佐人になった その日から30日以内 保佐人
破産者になった その日から30日以内 本人
成年者と同一の行為能力を
有しない未成年者となった
その日から30日以内 本人
免許を取り消された その日から30日以内 本人
一定の罪により罰金刑
または
禁錮刑以上に処された
その日から30日以内 本人

宅地建物取引士の気になる年収

努力して資格を取得したのはいいけど、この資格を活用した仕事でどれくらいの収入を得られるのかという情報は押さえておきたいですよね。

宅地建物取引士(宅建士)の年収データは公表されていません。

「年収データ」としては公表されていませんが、世に出ている求人情報などのデータを見てみると、おおよその年収は「350〜550万円」あたりであることが推測できます。

もちろん、働く環境(企業規模・勤務条件・待遇など)や実務経験、年齢、勤務地域などによって価格差があることも確かです。

宅地建物取引士の過去問はある?

宅地建物取引士の試験は、「過去問の焼き直し」が多いと言われていますので、過去問をしっかりと勉強するのは効率的な方法かもしれませんね。

書店やアマゾンなどでも過去問に関する書籍はいろいろな種類があるようです。ただし、「過去の過去問集」を購入しても意味がないので、最新版がどうかは必ずチェックしてくださいね!

資格取得で有名な通信講座の「ユーキャン」には、過去問の中でも特に出題率の高い問題を厳選した『過去問で鍛える! 実戦テキスト』というのがあるので、ムダな努力をせずに最短で得点力が身につくと評判ですよ。