古武術介護とは|岡田慎一郎先生監修の動画とテキストで効率よく学習

古武術介護とは

超高齢化社会を迎え、今後ますます「介護」の需要は伸びていくことでしょう。ご家族に要介護の方がいらっしゃる場合、食事、入浴、排せつなどで上体を起こしてもらったり、ベッドから移動してもらう必要が出てきます。そんな時に、古武術を応用した「古武術介護」を身に着けておくと、自分の身体を傷めず、介護する相手にも負担をかけずに、楽に介護ができるようになります。自分にとっても相手にとっても負担がない、古武術介護はこれから必要になる技術と言えるでしょう。

古武術とは戦国時代に発達した、槍や刀などの武器を使ったり、素手で相手を戦闘不能にする技術で、それが現代に伝えられたものです。格闘技は勝つことを目的とし、スピード、パワー、スタミナなどを重視しますが、これに対して武術は生き残る事を目的としています。ですからスピードやパワー、スタミナとは異なり、上手な身体の使い方が大切になります。

例えば重いものを持ち上げる際に、立った状態で持ち上げるのと、一旦しゃがんだ状態で膝の力を上手に使って持ち上げるのとでは、身体への負担が異なります。同様に、重心から離した状態で持ち上げるのと、重心に近い場所で持ち上げるのとでは、やはり身体への負担は異なります。膝の力を上手に使い、より重心に近い場所を上手に活用するのです。

古武術介護を動画で学ぶ

古武術介護を学ぶには、教室や講習会があるならばそれに参加し、専門の講師から教えを受けるのが一番近道でしょう。しかしそのような機会がない場合、動画で学び、家族で実験してみるのがいいでしょう。

要介護者が横になっている状態から上体を起こしてもらい、さらに立ち上がってもらう。あるいは状態を起こしてから抱きかかえてベッドへ移動する。これらの動きは、一方向からだけ見ていては死角になる場所が把握できません。ユーキャンの古武術介護の講座に付属するDVDでは、その死角の問題を天井から撮影したり、反対側から撮影するなどして、動画の撮影方法も工夫しています。

例えば仰向けに横たわった状態の人を立ち上がらせるには、まず上体を起こす必要があります。状態を起こすには、相手の首の下に腕を差し入れ、そのまま腕を固定して身体の動きで相手の上体を起こします。起こす際は目線を起こす先に向けておくと、自然と相手の上体を起こすことができます。次に相手の背後に回り、自分の腰を相手の背中に密着させます。その状態で両手を相手のへその下に持って行き、自分が立ち上がる動作を行うと自然と相手が立ち上がってきます。

これらの動作にはそれぞれポイントとなる箇所があります。例えば座っている相手を背後から抱きかかえて立ち上がらせる場合、自分の両足の位置が相手から離れていると、腰が密着できません。自分の両足は、相手の太ももの横にそれぞれ置いて、その状態で自分がしゃがむと、腰を密着させることができます。これは一方向から撮影しただけでは、なかなか分かりにくいでしょう。

もちろん、動画だけでは分かりにくい部分もあります。文字情報として読む場合はむしろ、紙のテキストの方が分かりやすい場合もあります。ユーキャンの古武術介護講座のテキストは、横長の見開きを採用しているので、DVDを再生しながら、テキストを眺めながら、実際の人を使いながら自分で試してみることができますから、上達は早いと言えるでしょう。

何より、介護する人が、自分の身体の負担にならないというのが古武術介護のいい所です。自分の身体の負担にならないということは、相手の身体の負担にもならないということに通じます。古武術介護を受けた人の感想を聞くと「全然嫌な感じがしなかった」「自然に立ち上がることができた」のように、介護する人、される人、双方にメリットがある方法と言えるでしょう。

古武術介護講座は岡田慎一郎先生が監修

テキスト及びDVDは、古武術介護のスペシャリスト岡田慎一郎先生が監修し、自ら出演されています。岡田先生ご自身も決して大柄な方ではなく、筋骨隆々ではありませんが、ご自身の身体を上手に使い、自分も楽だし、相手も楽という介護をしておられます。