第一種電気工事士になるには|試験、講習、実務経験、過去問など

第一種電気工事士とは

第一種電気工事士は、第二種電気工事士の上位資格に当たる国家資格です。第二種が一般住宅やコンビニ程度の小規模な店舗の電気工事ができるのに対して、第一種は工場やビルなどの大規模な施設の電気工事が可能となります。つまり仕事の幅が広がるということになります。大規模な施設の電気工事を請け負える会社は、それなりの規模の会社になります。それなりの規模の会社であれば、それなりの待遇は得られるでしょうから、年収アップを目指したいという方はぜひ、第一種電気工事士にチャレンジしてみましょう。

第一種として現場で活躍するうちに、次のステップが見えてきます。それは「電験三種」です。電験三種も電気に関わる国家試験ですが、現場で作業を行う方が対象ではなく、電気主任技術者として必要な監督や申請業務を行うため、実技がありません。その代わりに電力や機械、法律に関する幅広い知識が求められます。当然ですが、求人も待遇も電気工事士とは大きく異なります。

第一種電気工事士の試験と過去問

第一種電気工事士は、筆記試験と技能試験に分かれます。筆記試験は毎年10月上旬に行われ、その合格者に対して技能試験が課されます。技能試験は毎年12月上旬に行われます。筆記試験に合格し、その年の技能試験に不合格だった場合、翌年の筆記試験が免除され、技能試験のみを受験することができます。つまり筆記試験の合格は翌年に持ち越せるのです。ただしその翌年には持ち越せませんので、注意が必要です。

筆記試験の試験時間は2時間20分で、全部で50問が出題されます。解答はすべてマークシート方式です。40問の一般問題があり、配線図を元に解答する問題が10問出題されます。合格点は60点以上で、平成30年度の合格率は約40%となりました。

技能試験の試験時間は60分で、与えられた施工条件に従って、与えられた電気材料を使って、出題された通りに配線を行います。時間的な余裕はほとんどないはずなので、迷っている暇はありません。素早く条件を読み取り、与えられた材料の中から的確に材料を選び出し、必要な作業を行っていきます。合格基準は「欠陥がないこと」で、平成30年度の合格率は約63%となりました。

第一種の過去問と解答は、一般財団法人電気技術者試験センターのサイトにて公開されています。ただし解答解説はありませんので、市販の問題集や通信教育のテキストを入手する必要があります。

第一種電気工事士と実務経験

第一種電気工事士の免状交付には、5年以上の実務経験が必要となります。既に5年以上の実務経験を積んでいる方は、合格後に所属する県に申請することで、免状が交付されます。大学や高専の電気工学科を卒業された方は、実務経験が3年で済む場合がありますので、県や学校に問い合わせてみてください。

ユーキャンの第一種電気工事士講座

第一種電気工事士を独学で勉強される方は、一番ネックになるのが技能試験だと思います。技能試験には電気材料や工具が必要となり、これを入手するのがまず第1のハードルで、次にそれらの材料や工具を使った施工が第2のハードルとなります。特に施工は「動き」を学ばなければならないので、市販のテキストだけではかなり難しいと言えるでしょう。

ユーキャンの第一種電気工事士講座では、技能試験の第1のハードルとなる「材料」がすべてそろった状態で提供されます。そして、第2のハードルとなる「動き」を、専用のDVDで学ぶことができます。DVDは施工のポイントとなる部分を分かりやすく解説してくれるので、技能試験はDVDを観て、実際に手を動かしてみることで実際の試験にも対応できるようになるでしょう。