司法書士試験に合格するコツ|難易度・過去問から見える基準点を分析

いわゆる「士業」といわれる職業にあたる「司法書士」。毎年2万人前後の人が受験する国家資格ですが、その合格率の低さから「超難関の国家資格」とも言われています。

司法書士とは

登記及び供託の代理、裁判所や検察庁、法務局等に提出する書類の作成提出や、財産管理業務などを行うことができるのが「司法書士」です。

司法書士は司法書士法に基づく国家資格です。

一般的に言う司法書士とは別に、法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」という資格も存在します。認定司法書士は、簡易裁判所管轄の民事事件等一定の事件を弁護士と同様に務めることができる制度で、民事訴訟、民事執行、民事保全、和解、調停などにおいて当事者を代理することができます。

職務上請求権が認められている8士業」と言われる資格の1つで、ほかには弁護士・弁理士・税理士・行政書士・社会保険労務士・土地家屋調査士・海事代理士に認められています。

司法書士試験

法務省が実施する司法書士試験は、「筆記試験」と「口述試験」が実施されますが、まず筆記試験に合格しなければ、「口述試験」を受験することはできません。
受験資格で年齢・性別・国籍を一切問わないので誰でも受験することが可能です。

筆記試験

毎年7月の第1週(又は第2週)の日曜日に各法務局管轄の受験地で行われています。

午前と午後で行なわれますが、午前の部は、多肢択一式35問を2時間で解答する形式です。
出題科目は、憲法、民法、刑法、商法(会社法その他の商法分野の法令を含む)の4科目です。

午後の部は、多肢択一式35問と記述式2問を3時間で解答する形式です。
出題科目は、択一では民事訴訟法、民事保全法、民事執行法、司法書士法、供託法、不動産登記法、商業登記法の7科目から出題され、記述式では不動産登記法、商業登記法から出題されます。

これら11科目が試験科目であり、民法、不動産登記法、商法、商業登記法はまとめて主要四科目と呼ばれ、出題数の大半を占めています。

口述試験

毎年10月中旬頃に実施されます。
試験科目は、筆記試験と同一の出題範囲とされています。

法務大臣認定司法書士になるには

法務大臣の認定を受けるためには下記の条件を満たさなければならないとされています。

  • 日本司法書士会連合会が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程(特別研修)を修了する。
  • この研修を修了した者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定される

>>> 司法書士試験の通信講座

司法書士試験の難易度

筆記試験において午前の部多肢択一式、午後の部多肢択一式、記述式それぞれにおいて一定の点数に達しない場合、それだけで不合格となる仕組みとなっています。

全体の合計点が良くても、一部の科目で著しく点数が低いと不合格になるというわけです。

司法書士試験の合格率

司法書士試験の合格率は、おおむね3%ほどで、15,000人前後の受験者に対し、600人程度が合格するというなかなか難易度の高い資格試験です。

ちなみに筆記試験に合格した人のみに受験資格が与えられる「口述試験」は、毎年ほぼ全員が合格している試験なので、実質筆記試験の結果がそのまま合格率に反映されていると言っても過言ではなさそうです。

万一、口述試験に落ちても、筆記試験合格者は申請すれば次回の司法書士試験の筆記試験が免除される制度があります。筆記試験を制覇することが司法書士試験をパスするカギになりますね!口述試験のことはとりあえずあまり考えず、筆記試験に集中しましょう!口述対策はそのあとからでも十分間に合います!

司法書士には独学でもなれるのか

司法書士試験は、国家試験の中でも合格率の低い難易度の高い試験と言われています。

書店へ行けば対策本などは並んでいますが、自分の力ひとつでこの狭き門を突破するのはなかなか至難の業と言えそうです。

通信講座の「ユーキャン」なら、学習のスケジュール管理もしてくれるので、年に一度の試験に向けて、学習ペースを考えながら進めることができます。自分一人ではなにかと焦ってしまいがちです。

今は必要ないと感じるかもしれませんが、学習を始めてみると相談相手がいてくれことのありがたさがわかると思います。そういう点でも通信講座は心強い味方になってくれると思いますよ。

司法書士の年収

司法書士の年収は一概に言えないところがあり、300万円台といわれる人から1000万円以上という人まで、幅が広く、また雇用形態や、行なっている業務などによっても差が出る傾向にあります。

目安としては、20代前半の平均年収はおよそ「350万円」
50代前半がピークで、およそ「750万円」というデータもあるようです。

試験の難易度と年収は必ずしも比例しないと言われますが、司法書士試験の合格率の低さから考えたときに、その狭き門を通り抜けた先にある年収額として、これをどう見るか?ということでしょうね。

司法書士と行政書士の違い

「司法書士」も「行政書士」も、なになに「書士」とつくので混同しがちな資格ですよね。
この2つの資格は何が違うのか、それぞれの資格について調べてみると、
『行政書士(ぎょうせいしょし)とは、行政書士法に基づく国家資格であり、官公署に提出する書類および権利義務・事実証明に関する書類の作成、提出手続きの代理又は代行、作成に伴う相談に応ずる専門職である』(Wikipediaより引用)

『司法書士(しほうしょし)とは、司法書士法に基づく国家資格であり、専門的な法律の知識に基づき不動産や法人の登記の代理及び供託の代理、裁判所や法務局などに提出する書類を作成する専門職である。また、一定の制限はあるが、簡易裁判所における民事訴訟、和解、調停などにて当事者を代理することができる』(Wikipediaより引用)

と書かれています。

フツーの人には何が違うのかよくわかりませんね。

実際、業務に大差がないようにも感じますが、それぞれの資格は根拠となる法律が違い、業務範囲も違います。

例えば、行政書士は「会社設立時の手続き」や「飲食店の営業許可申請」などを行なうのに対し、司法書士は「登記申請の手続き」や「訴状の作成」などが業務となります。

一部重なる範囲もあるわけですが、司法書士として業務にあたるからには、一般消費者を誤認させないようにする努力も求められますね。

>>> 司法書士試験の通信講座

司法書士の勉強ができるところ

司法書士になるための勉強法は「ユーキャン」しかないのか?と言われればそんなことはありません。司法書士の勉強は、予備校のようなスクールもありますし、ユーキャンのような通信講座もあります。

ユーキャン以外で勉強できるところ

  • スタディング
  • 資格スクール 大栄
  • クレアール
  • 伊藤塾
  • LEC東京リーガルマインド
  • 資格の学校TAC
  • アガルートアカデミー

などなど、ほかにもたくさんあると思いますが、思い当たるだけでもこれくらいあります。対面形式の予備校(スクール)のメリット・デメリット、通信講座のメリット・デメリットも考えたうえで、自分のライフスタイルにマッチしたところを選ぶといいですね。

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