介護福祉士|国家試験の申し込み、その前に
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「施設に放り込め」という遺言
「認知症になったり、要介護になったら施設に入れて欲しい。一度施設に入れたら、どんなに懇願されても自宅には戻さず、そのまま施設で余生を過ごさせて欲しい。危篤状態になったら、延命措置は一切不要。」自分の息子や娘にこう言い残す方が実際にいらっしゃいます。その方は自分の親を自宅で介護するという経験をされた方でした。
このままでは自分の親に殺される
その方は親の介護を通して「このままでは自分の親に殺される、もしくは俺が親を殺してしまう」と本気で思ったのだそうです。確かに夜に突然叫び出したり、勝手に家を出て徘徊されたら、夜も安心して眠れません。1日や2日でしたら耐えられるでしょうが、これが何日も続く、いつ終わるのか分からない、これでは普通に仕事をしている人にとってはたまったものではないでしょう。
個人での介護、在宅介護は難しい
このように、個人での介護、在宅介護は介護する側の負担がかなり大きく、難易度がとても高いと言えるでしょう。その方は結局、お母様を施設に預けることにしたのだそうです。介護福祉士の方とじっくりお話をし、実際の介護現場も見学させてもらい、施設を決めたのだそうです。
クオリティ・オブ・ライフ|人生の質
実際に施設に入所してみると、介護福祉士の方々が行き届いた介護をしてくれるので、お母様の表情が見違えるように明るくなっていったのだそうです。介護福祉士の方からQoL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質、人生の質)という言葉を初めて聞き、プロによる介護で介護される方のQoLは上がること、ご家族の負担も減り、ご家族のQoLも向上するという説明を受け、大変納得したのだとか。
人間として尊厳ある最後
特に大きく心を動かされたのが「人間の尊厳」という言葉でした。介護福祉士の方は「死」という言葉は使いませんでしたが、「尊厳ある死」という言葉が頭に浮かび、ご自分の母親にも尊厳ある最後を迎えて欲しいと思ったのだそうです。
お母様が時折「帰りたい」と言うこともあったそうですが「ここにいるのが一番いいんだよ。また来るからね」そう言ってお別れするのだそうです。そしてお母様は施設で「尊厳ある最後」を迎えたのだそうです。
歌手の橋幸夫さんが経験した壮絶な介護
これまで20年に渡って勤めてくれたお手伝いさんの事を泥棒呼ばわりする。トイレの場所が分からず、所かまわず排せつしてしまう。男性に乱暴される妄想で激しく取り乱す。そんな感じで変わっていく母を介護したのが、歌手の橋幸夫さんです。橋幸夫さんは奥様と二人で、お母様の介護の日々を過ごすうちに、だんだん疲弊していく自分を感じ、老人介護施設に入所させ、尊厳ある最後を迎えてもらったのだそうです。
高齢者には「傾聴」も大切です
橋幸夫さんのお母様は突然「財布が盗まれた!」と叫び始め、「誰も盗んだりしないよ。何を言ってるの!」と言うとさらに取り乱し、どうにも手が付けられなくなったのだそうです。
そこでウソでもいいからまずは「そうなんだ、財布を盗まれたんだね?一緒に探そう」と言う。自分の意見を聞いてもらえたお母様は安心して財布を探し始め、そのうちに探していたことすら忘れてしまうのだそうです。これは「高齢者傾聴」そのものですね。
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